Japanische Klassiker mit Furigana
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ヴィヨンのつま
ヴィヨンの妻
Lesen Sie ヴィヨンの妻 (ヴィヨンのつま) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.363 Zeichen · 112 Bildschirme
甚だケチ臭い愚痴を言うようだが、(いや、はっきり言おう。私はこのウイスキイに関しては、ケチである。惜しいのである)まるで何か当然の事のように、大威張りでぐいぐい飲まれては、さすがに、いまいましい気が起らざるを得なかったのである。
それにまた、彼の談話たるや、すこしも私の共感をそそってはくれないのである。それは何も私が教養ある上品な人物で相手は無学な田舎親爺だからというわけではなかった。そんな事は、絶対に無い。私は全然無教養な淫売婦と、「人生の真実」とでもいったような事を大まじめで語り合った経験をさえ持っている。無学な老職人に意見せられて涙を流した事だってある。私は世に言う「学問」を懐疑さえしている。彼の談話が、少しも私に快くなかったのは、たしかに他の理由からである。それは何か。私はそれをここで、二、三語を用いて断定するよりも、彼のその日のさまざまの言動をそのまま活写し、以て読者の判断にゆだねたほうが、作者として所謂健康な手段のように思われる。
彼は「俺の東京時代は」という事を、さいしょから、しきりに言っていたが、酔うにしたがって、いよいよ頻繁にそれが連発せられて来た。