Japanische Klassiker mit Furigana
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いったとはは
一太と母
宮本 百合子
Lesen Sie 一太と母 (いったとはは) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.507 Zeichen · 21 Bildschirme
「ブルトーゼ。アルゼン、ブルトーゼ。ヨードブルトーゼ。キナ、ブルトーゼ。グアヤコールブルトーゼ……ブルトーゼって何だろ、おっかちゃん」
「広告さ」
「ああそうか、どうりで人がついてるよ、人がいらあ。……ホイッポ……カゼ……ネツ……モリミョウ。おっかちゃん、ホイッポて何さ」
「しずかにおしよ、おばさんがやかましいよ」
飽きると一太は起きて、竹格子につかまった。裏が細い道で、一太の家と同じような一棟の家に面していた。一太の窓から見えるところが大工の家で、忠公の棲居であった。忠公は、一太のように三畳にじっとしていないでもよいそこの息子であったから、土間の障子を明けっぱなしで遊んでいた。一太が竹格子から見ていると、忠公も軈て一太を見つける。忠公は腕白者で、いつか、
「一ちゃんとこのおっかあ男だぜ、おかしいの! チッだ!」
と云った。
「違うよ、男じゃありませーんよだ」
「じゃ何故ツメオって云うんだい、オの字のつくのは男だよ」
一太はぐっとつまって、
「だって女だい!」
と力んだ。
「男だよ。子ってのが女だよ、活動だって、ナミ子が女でタケオが男だよ、やーい見ろ、一ちゃん学校へ行かないから知らないんだ」