Japanische Klassiker mit Furigana
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 一寸法師 (いっすんぼうし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.475 Zeichen · 194 Bildschirme
畸形魔
小松は元来おとなしい女で、あんな恐しいことは出来相もないし、もし彼女が犯人だったとすれば、なぜ昨夜まで逃亡を躊躇していたかが疑問だ。結局最も疑わしいのは山野夫人ではあるまいか」
紋三の考えはどうしてもそこへ落ちて行った。彼はまだ生々しい昨夜の奇怪な経験を忘れることが出来ないのだ。
畸形魔
もう夜の一時を過ぎていた。浅草公園もその時刻になると、流石に人足が途絶え、よいの内雑沓する場所だけに、余計さびしさが身にしみた。殊に仁王門を這入って右手の、五重の塔、経堂、ぬれ仏、弁天山にかけての一区劃は、宵の内からほとんど人通りがなかった。広い公園の中でもここだけがまるで取残された様に、異様に薄暗くさびしかった。
その五重の塔の裏手の、さびしいうちでも、もっともさびしい箇所に、何の樹だか、神木とでもいい相な大樹が枝を張っていた。遠くの安全燈の光は、五重の塔の表側の方にさえほとんど届かないのだから、その裏の木の下暗には無論影さえもない。公園中での魔所といってもよかった。不思議なことには、その辺では巡回のサーベルの音も、一晩に二三回位しか聞えないのだ。
その夜は空に星の光もなく、大樹の下は常よりも一層暗く、すさまじく見えた。