Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いっすんぼうし

一寸法師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 一寸法師 (いっすんぼうし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.475 Zeichen · 194 Bildschirme

Aozora Bunko

堤の上の安全燈からさす光の外は、隙漏る燈火さえなかった。暗黒の中に大入道の様な句碑がニョキニョキ立並んでいた。

山野夫人は探る様にして自然石の間を縫って行った。そして、一際大きな句碑の前までたどりつくと、何かを待設ける様に立止まった。

「奥さんですか」

すると、句碑のうしろから、白いものが現れて、ささやく様に声をかけた。その男は和服に春の外套を着て、大型の鳥打帽を眼深に冠っていた。やみの中でも、大きな眼鏡が、遠くの光を反射してキラキラ光った。

「エエ」

山野夫人がかすかに答えた。震え出すのを一生懸命に堪えている様な声音だった。

「僕のいったことはうそじゃないでしょう。いっただけのことは、ちゃんとやってのけるのです」

不思議な男は、太いステッキによりかかりながら、夫人の顔をのぞき込む様にしていった。

「僕は命を捨ててかかっているのですよ。どんなことだってやっつけます。これ以上のことだって。サア、返事を聞かせて下さい。僕の願いを承知してくれますか、どうですか」

「もう駄目ですわ。ここまで来てはもう取返しがつきませんわ」夫人は泣き出し相な声でいった。「きっと、すっかり分ってしまいます。