Japanische Klassiker mit Furigana
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 一寸法師 (いっすんぼうし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.475 Zeichen · 194 Bildschirme
ソラ、まさか忘れはしまい。そんなことをすればお前の身の破滅だぞ。いいか。山野一家の滅亡だぞ」
一寸法師は、起上った百合枝の腰のあたりにからみついて、おどし文句を並べながら、相手のひるむすきを見て、短い足を彼女の足にからみ、恐ろしい力で彼女を倒そうとした。
百合枝は叫ぼうにも叫ぶ自由を奪われ、逃げ出そうにも、逃げ出す力を失い、まるで悪夢にうなされている気持だった。畸形児は不気味な軟体動物の様に、ぺったりと彼女の半身に密着して、腰のあたりを締めつけた両腕は、刻一刻その力を増して行くのだった。
小林紋三はうそ寒いのを我慢して、執念深く路地の入口に立ちつくしていた。まだ夜更けというでもないのに、その町はいやに暗くて静だった。どの家もどの家も、まるで空家の様に、黙りこくっていた。
蝙蝠みたいに路地の板塀に身体をくっつけて、薄暗い往来を見ていると、時たま灰色の影の様なものがスーッと通り過ぎた。それが人間に違いないのだけれど、少しも音を立てないので、何か物の怪という感じがした。
彼は山野夫人が二階に上った気勢を感じたので、もしや話し声でも漏れて来ないかと、その方を見上げて耳をすましたが、密閉された雨戸の中はひっそりとして、燈火の影さえささなかった。