Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼくのぼうしのおはなし
一房の葡萄 他四篇
有島 武郎
Lesen Sie 一房の葡萄 他四篇 (ぼくのぼうしのおはなし) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.712 Zeichen · 39 Bildschirme
私は泣くにも泣かれないでかたくなったままこちんとお婆様の前に下を向いて坐りつづけていました。しんしんと暑い日が縁の向うの砂に照りつけていました。
若者の所へはお婆様が自分で御礼に行かれました。そして何か御礼の心でお婆様が持って行かれたものをその人は何んといっても受取らなかったそうです。
それから五、六年の間はその若者のいる所は知れていましたが、今は何処にどうしているのかわかりません。私たちのいいお婆様はもうこの世にはおいでになりません。私の友達のMは妙なことから人に殺されて死んでしまいました。妹と私ばかりが今でも生き残っています。その時の話を妹にするたんびに、あの時ばかりは兄さんを心から恨めしく思ったと妹はいつでもいいます。波が高まると妹の姿が見えなくなったその時の事を思うと、今でも私の胸は動悸がして、空恐ろしい気持ちになります。