Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのなぜ
三つのなぜ
Lesen Sie 三つのなぜ (みっつのなぜ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.862 Zeichen · 6 Bildschirme
獣は獅子に似て翼を拡げ、頭を二つ具えていた。しかもその頭の一つはシバの女王の頭であり、もう一つは彼自身の頭だった。頭は二つとも噛み合いながら、不思議にも涙を流していた。幻は暫く漂っていた後、大風の吹き渡る音と一しょに忽ち又空中へ消えてしまった。そのあとには唯かがやかしい、銀の鎖に似た雲が一列、斜めにたなびいているだけだった。
ソロモンは幻の消えた後もじっと露台に佇んでいた。幻の意味は明かだった。たといそれはソロモン以外の誰にもわからないものだったにもせよ。
エルサレムの夜も更けた後、まだ年の若いソロモンは大勢の妃たちや家来たちと一しょに葡萄の酒を飲み交していた。彼の用いる杯や皿はいずれも純金を用いたものだった。しかしソロモンはふだんのように笑ったり話したりする気はなかった。唯きょうまで知らなかった、妙に息苦しい感慨の漲って来るのを感じただけだった。
番紅花の紅なるを咎むる勿れ。
桂枝の匂へるを咎むる勿れ。
されど我は悲しいかな。
番紅花は余りに紅なり。
桂枝は余りに匂ひ高し。
ソロモンはこう歌いながら、大きい竪琴を掻き鳴らした。のみならず絶えず涙を流した。