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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのまど

三つの窓

芥川 竜之介

Lesen Sie 三つの窓 (みっつのまど) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.811 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「お前の上陸は許可しないぞ。」

「はい。」

SはA中尉の黙っているのを見、どうしようかと迷っているらしかった。が、A中尉は次に命令する言葉を心の中に用意していた。が、しばらく何も言わずに甲板の上を歩いていた。「こいつは罰を受けるのを恐れている。」――そんな気もあらゆる上官のようにA中尉には愉快でないことはなかった。

「もう善い。あっちへ行け。」

A中尉はやっとこう言った。Sは挙手の礼をした後、くるりと彼に後ろを向け、ハッチの方へ歩いて行こうとした。彼は微笑しないように努力しながら、Sの五六歩隔った後、俄かにまた「おい待て」と声をかけた。

「はい。」

Sは咄嗟にふり返った。が、不安はもう一度体中に漲って来たらしかった。

「お前に言いつける用がある。平坂下にはクラッカアを売っている店があるな?」

「はい。」

「あのクラッカアを一袋買って来い。」

「今でありますか?」

「そうだ。今すぐに。」

A中尉は日に焼けたSの頬に涙の流れるのを見のがさなかった。――

それから二三日たった後、A中尉はガンルウムのテエブルに女名前の手紙に目を通していた。手紙は桃色の書簡箋に覚束ないペンの字を並べたものだった。