Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

Lesen Sie 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.603 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

「御馳走様だ」

小者は、急いで出て行った。

(そうだ)

右源太は、空腹を忘れてしまった。

「旦那様」

婆の差出した盆の上の飯を手に取ったが、すぐ、側へおいて

「勘定」

と叫んだ。

「御飯を、旦那様」

「いらん、早く勘定を」

「何が、お気に障りましたで御座いましょうか――」

爺が、そういいながら、いくつも穴の並んだ、土竈の角を廻って出てきた。

「いいや、いいや、一寸、急ぎの用を思い出したゆえ」

「それなら――ああ、心配致しました。この婆め、頓間で、いつも――」

「おやおやおや、自分のもうろくを棚へ上げて、人を頓間などと――」

「勘定を早くと申すに」

「はい、はい」

爺は、周章てて、引込んだが

「十二文で御座ります。御粗末様で」

右源太は、腰の巾着から小銭を出して、ばらばら腰掛けへ落して、編笠を掴むと、小走りに出てしまった。

十五

(悪いこと――そうだ、悪いことにちがいない、然し、止むを得ないことだ。俺を助けるのは、彼奴を斬るより外に道がないのだ――全く、よく似ている。彼奴を斬って、首にし、これなら、誰でも、大作の首にちがいない、というだろう――そして、よし、大作がまた現われたなら?――いいや、越中守を殺した大作が、のこのこ現れよう道理がない。