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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

Lesen Sie 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.603 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

いくら、大胆不敵の奴でも、命は惜しいにちがいない。が、もし、現れたなら?――)

右源太は、行手に、小さく、黒い挟箱を担いで行く小者を、じっと見つめながら、刀を押えて、小走りに、急いでいた。

(現れたなら?――俺は、大作をよくは知らぬが、大作と信じて討取ったのだ、といえばいい。あれ位似ておれば、間違うのも、無理は無いと、誰でも思うだろう。だが――何うして討ったかと聞かれたら?――それは、尋常では討てんから、計にかけた、と、いえばいい、そうだっ)

右源太は、微笑して、後方を振向いた。人影が無かった。

(恰度いい場所だ。村にも遠いし、人もいないし――彼奴は可哀そうだが――今、もし、彼奴を討って江戸へ戻らなかったら、俺が人から可哀そうがられるだけだ。人から、可哀そうに思われたって、俺には、何んにもなりゃしない。彼奴か、俺か、この世の中に、どっちか、可哀そうな奴が一つできるようになっているのだ)

右源太は、足踏みして、草鞋の紐の固いのを試し、鯉口を切って、襷を取出すと、片手と口とで、素早く、袖を絞り上げた。そして小者の歩き振りを見定めて、編笠を脱いだ。そして、笠で、襷をかくしながら、草の上を音も無く、迫って行った。