Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんあくにんものがたり

三悪人物語

山本 周五郎

Lesen Sie 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.990 Zeichen · 58 Bildschirme

Aozora Bunko

「おらふく、こなもなけね」中将は四つん這いになってふうふう吹きだした、

「まて、もすぐだ」

八百助は依然として小判を数えている、五枚ずつに重ねてそこへ並べる、もちろんちゃんと手で持ってやっている。中将は眼をむいて、「やい、あつくねか」ときいた。八百助はにこりともしないで「そうさな」と云った。

「熱くないこともないが、なれているからまあ我慢ができるだろう、なにさしたることはないよ」こう云うと彼は静かに立った、「――さあ数は出来た、あとはおまえさん達が包むだけだ」

「やい動くな」権頭が刀の柄をひねくる、「坐ってじっとしてろ、承知しねえぞ」

「私のほうはすんだんだ、お付合いに見ていたいが、まだ用がたくさんあるからね」八百助は三人を見る、「あとは任せるよ、五枚ずつ紙に包んで向こうにある箱へ詰めといてくれ、三日もあれば出来るだろう」

そしてふいと消えた。ぜんぜん消えてしまったのである。三人は五秒ばかり石にでもなったように黙っていた、それからとつぜん笑いだした。笑いながらよくよく互いの顔を眺めあい墜落的に笑い止むと同時に、三人ともそれぞれの背後を振り返って見た。

「なんでもねえさ」