Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

Lesen Sie 三枚続 (さんまいつづき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.572 Zeichen · 124 Bildschirme

Aozora Bunko

私は曰附の家へ瀬踏に使われたんだとは気が着きませんや。

床屋風情にゃあ過ぎたものを借りやあがった、襖の引手一個引剥しても、いっかど飲代が出来るなんと思って、薄ら寒い時分です、深川のお邸があんなになりました、同一年の秋なんで。

その十畳敷の真中で、昆布巻を極めて手足をのびのびと遣りましたっけ。」

愛吉は吸殻を払いて、

「可うごすかい、さあ寝られません。総鎮守の風の音が聞えますね、玉川の流は響きますね、遠くじゃあ、ばッたんばッたん機織の夜延でしょう、淋いッたらありません。

悪くするとこりゃ狐でも鳴きそうだ、弱りましたね、さよう、一時頃でございましたろうか。」

聞惚れていたお夏は急にあどけないことをいった。

「出たかい。」

余り唐突に聞かれたから、愛吉まごついて、

「へい、何でございます。」

「いずれ何か。」

「最初は、庭に手水鉢があります、その雨戸がカタリといいましたっけ、縁側を誰か歩行いて来ます、変だと思ってる内に、広間の前の処で跫音が留んだんです。へい、」といって一ツ自分で頷いた。

「それだけ。」

「どういたしまして、これからなんでさ。しばらくすると、すッと障子を開けましたが、私が枕を持上げる時には、もう畳を三畳ばかりすらすらと歩行いて来ました。