Japanische Klassiker mit Furigana
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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
Lesen Sie 三枚続 (さんまいつづき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.572 Zeichen · 124 Bildschirme
「軽少でございますが、どうぞお納を。」
と見ると金子五千疋、明治の相場で拾円若干を、故と古風に書いてある。
「ああ、こういうことをなすっては可けません、そのために、ちゃんと月謝をお入れになることにしてあります。」
「さようおっしゃりましてはお可愧しゅうございます、誠にお麁末で、どうぞ差置かれまし。」
「そうですか、皆様にもうかねてお断がしてあるんだのに、何かこういう御心配をなさるから困るよ、ああ、とかく御婦人方は、」と云いながら、その細い目でふと葭戸の内を見着けた。
「おお、お才、そこに……お前差支えがなくばちょっとお逢いなさい、こちらで、」と声を懸ける。
「はい、」と案外軽い返事、さやさやと衣の音がして葭戸越に立姿が近いたが、さらりと開けて、浴衣がけの涼しい服装、緋の菱田鹿の子の帯揚をし、夜会結びの毛筋の通った、色が白い上に雪に香のする粧をして、艶麗に座に着いたのは、令夫人才子である。
「いらっしゃい、誰方、」と可愛い目で連合の顔をちょいと見る、年紀は二十七だそうだが、小造で、それで緋の菱田鹿の子の帯揚という好であるから、二十そこそこに見える位、もっとも十九の時児髷に結った媛で、見る者は十四か五とよりは思わなかった。