Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
清吉がその総仕上げまで生きていられないことは知れきっているので、なんとかしてこゝらで思い切らしたいものだと、源七も色々に考えていると、なんでも冬のなかばで、霙まじりの寒い雨が降る日だったそうです。清吉はもう歩く元気もない、殊に雨が降っているせいでもありましょう、自分の家の駕籠に乗せられて源七の家へ来ました。なんぼなんでも最う見てはいられないので、半分死んでいるような清吉にむかって、わたしは医者ではないから、ひとの身体のことはよく判らないが、多年の商売の経験で大抵の推量は付く。おまえさんがこの上無理に刺青をすれば、どうしても死ぬに決まっているが、それでも構わずに遣る気か、どうだと云って、噛んで含めるように意見をすると、当人ももう大抵覚悟をしていたとみえて、今度はあまり強情を張りませんでした。
この時に清吉は初めて彼のお金の一条をうちあけて、自分はどうしてもこの身体に刺青をして、梅の井の奴等に見せてやろうと思ったのだが、それももう出来そうもない。滝夜叉も光国も出来上らないうちに死んでしまうらしい。ついては「嵯峨や御室」の方を中止して、左の腕に位牌、右の腕に石塔を彫って貰いたいと、やつれた顔に涙をこぼして頼んだそうです。