Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんがいばんれいとう

三界万霊塔

久生 十蘭

Lesen Sie 三界万霊塔 (さんがいばんれいとう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.716 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

「この間、南洋庁から視察にきた成瀬って男に聞いたんだが、パラオのダイバー景気はたいへんなものだってな。春光館だの鶴ノ家だのっていう料理屋は、軒の低いトタン葺きの母屋へ、後から後から付け足し建て増し、階段を上ったり降りたり、端から端まで歩くと一町もあるような構えにしてしまったそうだ。ダイバー・ボートが帰るころになると、それを目あての出稼ぎの芸者や酌婦が便船のたびに内地からおしよせる。ダイバーはまたダイバーで、気でもちがったような金の使いかたで、パラオへ引揚げた晩、はじめて逢った芸者を落籍してそのまま親元へ帰してやったなんて話まであるてえんだ」

「だいぶ怒っているようだネ」

「それゃ面白いわけはない。領海は海岸から三浬まで。日本のダイバー・ボートの就業はその外という規定になっているが、そこは水の上のことで、領海と公海の境に綱をひいてあるわけでない。潜るほうの身になれば、四十尋より三十尋……まあ一尋でも浅いほうがいいんだから、こっそり領海へ入っているにちがいない。政府ももっと手厳しくやりァいいんだ。あいつらはすこしいい気になっているよ」

「ところで、おれは別の話をきいているんだ。