Japanische Klassiker mit Furigana
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さんがいばんれいとう
三界万霊塔
久生 十蘭
Lesen Sie 三界万霊塔 (さんがいばんれいとう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.716 Zeichen · 39 Bildschirme
ようすを聞くと、今朝、九時ごろ二十七人が急死、四十人が危急状態。母船の医者は腐敗蛋白中毒だといって貯蔵の缶詰を海へ捨てさせているということだった。夕方、船団の事務長がやってきて、死体を火葬したいのだが、陸へ上ることができないので処置のしようがないとこぼした。事務長が帰ると山崎が、
「あいつらは屍体をあげて火葬するつもりなんだな。いろいろなことをいうのは、つまるところ、われわれに不合法上陸を黙認してくれという謎なんだよ。同胞のよしみでね」
と笑った。すると深尾が、
「黙認するもしないも、われわれにそんな権利はない。領海内の密漁が発見されれば、船体と漁獲物は全部没収、密入国者は禁錮又は死刑と法律できまっている。ここには弁務官がいないといったって、守るべきものはちゃんと守ってもらいたいもんだ。同胞の手前、なおさら」
と洒落にしてしまった。
そのうちにラガーが弔旗を掲げて母船のまわりに集り、母船の前甲板で告別式のようなことがはじまった。その夜、島の西南の岬の空に火花がうつり、明け方まで見えていた。火葬らしいので君島をやって調べさせると、船団の幹部が七人ばかり上陸して、岬の椰子の中へ火葬場をつくり、こっそり火葬をしたことがわかった。