Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんがいばんれいとう

三界万霊塔

久生 十蘭

Lesen Sie 三界万霊塔 (さんがいばんれいとう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.716 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

「マックス君、日本の印象はどうですか」

「それはでございますね、生まれてはじめて雪の降るのを見たこと。自分の国のブルウ・マウンテンの頂上にある雪は見ましたが、空から降る雪……そうして地面につもる雪……ユキフリですね、あのときの強烈な印象は死ぬまで忘れないでしょう」

いつまで出鱈目をいっているつもりなんだ。どうして早く切りださない。こっちはじりじりしながら待っているのに。

「それはいい経験だったね。感慨もさぞかしでしょう。しかしだね、そんなにまではぐらかすことはない。早く問題の核心に触れたらどうだ」

マックスは麻色の睫毛をおしあげてじっと深尾の顔を見ていたが、すぐ笑顔になって、

「そうです。あの問題をもっと早く申すべきでした。トダさんのお嬢さんと結婚いたしますこと、ご報告にあがりたかったのですケレドモ、あなたはご病気だそうで、今日まで遠慮しておりましたのです」

戸田の娘がどうしたというんだ。結婚ってなんのことだろう。頭の中を圧力のある丸いものが転げまわり、耳の中がブンブン鳴って、考えがまとまらなくなってしまった。マックスはなにかいっている。

「メルボーンにわたくしが少年でおりましたころ、あなたやトダさん、またヤマゼキさんのいる国のお嬢さんと結婚するなどと考えたことはありませんでした。