Japanische Klassiker mit Furigana
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さんりょうきょう
三稜鏡
佐左木 俊郎
Lesen Sie 三稜鏡 (さんりょうきょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.347 Zeichen · 42 Bildschirme
仮死体はそして、最早、×××になって了っているのであった。
「先生! 麻酔剤の他に何か薬品を使ったのですか?」
私はそんな風に聞いて見ずにはいられなかった。
「当然のことじゃないか?」
博士は吐捨てるようにして云うのだった。
「何をお使いになったのですか?」
「そんなことがわからんでどうする?」
博士はもう酷く機嫌が悪くなっていた。そして博士は、自暴自棄的に、死体の各部へぷすぷすとメスを入れるのであった。博士の頭は、発作的に、最早、滅茶苦茶に狂って了っているに相違なかった。それは単に博士ばかりではなく、傍にそれを見ている私でさえが、首を切断した胴体は、首のついていたときよりも更に大きく不恰好で無気味で、何んとなくこう変になって来るのであった。何もかもを、滅茶苦茶に打毀して了い度いような、狂的な焦燥が、嵐のように全神経を吹捲くるのであった。そして博士は、私のその感動を、私の幾十倍の激しさで感じていたに相違ない。博士は先ず、既に首を失っているその胴体から、更に、両脚を切断するのであった。と、首と両脚を失った胴体は、尚一入無気味に、不恰好になって、横の方へばかり大きく大きく拡って行くのであった。