Japanische Klassiker mit Furigana
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したやそうわ
下谷叢話
永井 荷風
Lesen Sie 下谷叢話 (したやそうわ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.971 Zeichen · 246 Bildschirme
」〔金釵換ヘ尽ス長安ノ酒ニ/儘ク許ス夫君ノ酔ヒテ泥ノ似キヲ〕の如き詩句に言尽されている。枕山の妻が金釵を典売して夫君とその友とのために酒を買ったことは鈴木松塘が「寄弔」〔弔ヲ寄ス〕の作にも「多慚緑酒沽留我。不惜金釵抜附郎。」〔多ク慚ヅ緑酒沽ヒテ我ヲ留ムヲ/惜マズ金釵抜キテ郎ニ附スヲ〕と言ってあるから決して形容の辞ではない。大正当世の細君は金剛石の指環を獲んがためには夫君をして贓※とならしむるも更に悔るところがない。人心変移の甚しきは人をして唯唖然たらしむるのみである。
枕山が妻はその氏名年齢を詳にしない。初飯沼弘経寺の梅痴上人が媒をなしたという事をわたくしは聞いたのみである。三田台裏町妙荘山薬王寺に葬られて積信院一乗妙道大姉の法諡をおくられた。わたくしは大沼氏家蔵の文書の中から次の如き断簡を見出した。しかしその筆者の何人なるかを詳にしない。「ゆく秋つごもりの夕野辺のわかれおくれる。積信院姉へよする。錦してみればさびしき落葉かな。さて/\積信院親族のみな/\夜もすがら日をついで、そのつかれもいとはず看病いたし下され候だん、一しほかんじ入まゐらせ候。