Japanische Klassiker mit Furigana
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ふちんぐんかんのみほん
不沈軍艦の見本
海野 十三
Lesen Sie 不沈軍艦の見本 (ふちんぐんかんのみほん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.749 Zeichen · 24 Bildschirme
こんどこそは沈んだらしいと思っていると、間もなく水柱が、ざざーざっと海面に落ちこぼれると、あーら不思議、金博士の驚異軍艦ホノルル号の厳然たる姿が、神のごとくはっきり浮び出たではないか。
「ああっ、ちゃんとしている……」
嘆息と畏敬の声が同時に起る。
「三十八弾命中!」
と、空中からの報告が届いたのは、このときであった。
「なんだ、三十八弾命中? しかし、ホノルル号は顛覆もしないでちゃんと浮いているぞ」
と、大統領の嘆声。そのとき金博士が傍へ近づいて、ホノルル号からすこし放れた海面において新たにぽかりぽかりと盛り上る大きな泡をさして、何やらいって、ふふふふと笑った。大統領は、蒼褪めた長い顔をしきりに縦にふって肯く。
「ふーん、三十八弾、いずれも甲板から艦底に通り抜けたか。しかも穴一つ明かず……。これは驚異じゃ。ハワイ海戦の前に、これを知って居たらなあ。ちえっ、遅かった」
と、大統領は、かぶっていた帽子を手にとって、両手でびりびりと引き破った。
「雷撃機出動です」
ヤーネルが、蚊のような細い声でいった。
しかし大統領は、もう雷撃にはなんの興味をもっていなかった。