Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
りこんについて
与謝野晶子評論集
与謝野 晶子
Lesen Sie 与謝野晶子評論集 (りこんについて) von 与謝野 晶子 (よさのあきこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.402 Zeichen · 100 Bildschirme
従って貞操を汚すような男の誘惑というものも一切知らなかった。
それからこれは何時かの『早稲田文学』へ載せた雑感の中にもちょっと書いた事であるが、自分は幼い時から動もすると死の不安に襲われて平生少しの病気もない健かな身体でありながらかえって若死をする気がしてならなかった。それがため他人の嫁入沙汰を聞いても他人は他人、自分は自分の運命があるという風に思って、結婚などをする自分ではないと堅く信じていた。『源氏物語』のような文学書を読んで作中の恋には自分の事のように喜憂することがあっても、それは夢の世界、空想の世界に遊んでいる自分に過ぎなかった。
また十七、八歳から後は露西亜のトルストイの翻訳物などを読んで、結婚は罪悪である、人種を絶やして無に帰するのが人間の理想だというような迷信がかなり久しい間自分を囚えていたので、自分は固より、偶ま逢う同じ街の友人にも非結婚主義を熱心に勧めたりなんかした。そういうような事に由っても自分は男子の誘惑から隔った遠い彼方に住んでいた。
親戚の者から縁談を勧める事もあったが、自分が汚らわしいという風に眉を顰めるので、自分の前でそんな話を持出す人も後には全くなくなった。