Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しがつばか

世相・競馬

織田 作之助

Lesen Sie 世相・競馬 (しがつばか) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.112 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

武田さんが書き悩んでいるわけもうなずけるのだった。

「僕がおっては邪魔でしょう」

と、出ようとすると、

「いや、居ってくれんと淋しくて困るんだ。なアに書きゃいいんだ」

と、引きとめた。しかし、話はしようとせず、とろんと疲れた眼を放心したように硝子扉の方へ向けていたが、やがて想いがまとまったのか、書きはじめたが、二行ばかり書くと、すぐ消して、紙をまるめてしまった。

そして、新しい紙にへのへのもへのを書きながら、

「書きゃいいんだろう。書きゃ……」

と、ひとり言を言っていた。書き悩んでいるというより、どうしても書きたくないと、駄々をこねているみたいだった。

Aさんがはいって来た。

「どうです。書けましたか」

「書けるもんか。ビールがあれば書けるがね。――たのむ、一本だけ!」

指を一本出して、

「――この通りだ」

手を合わせた。

「だめ、だめ! 一滴でもアルコールがはいったら最後、あなたはへべれけになるまで承知しないんだから折角ひっくくって来たんだから、こっちはあくまで強気で行くよ。その代り、原稿が出来たら、生ビールでござれ、菊正でござれ、御意のままだ。さア、書いた、書いた」