Japanische Klassiker mit Furigana
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せひょう(いちまくにば)
世評(一幕二場)
菊池 寛
Lesen Sie 世評(一幕二場) (せひょう(いちまくにば)) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.154 Zeichen · 9 Bildschirme
情景 二
しずかに。
女一 亭主が、帰って来ると美しい顔が、直ぐ曇ってしまう。
女二 おや、あんなにしおれてしゃがんでしまったよ。
女三 可愛そうに。いつまでもあんなに囚われているのかしら。
女四 思い切って、鎖を切ってしまえばいいのに。
女五 本当に、あの人の歌っている通りにすればいいに。
女三 ほんとうに、誰か本当に愛して呉れる青年の胸に飛び込んで行けばいいに。
女二 本当に。何だって、はやくあの鎖を切ってしまわないのかしら。
情景 二
情景一と同じ。ただ前よりも一年ばかり後。やっぱり一群の隊商が休んでいる。群衆が遠くから、取り巻いている。群衆は題一場の人々と全く同一なり。
女一 去年評判になった隊商の妻が、通ったと云うから追いかけて来たのですよ。
女二 わたしも。
女三、四 わたしも。
男一 うむ。去年評判になった女が居ると云うんだね。
男二 うむ。おお、あれだ。あれだ。ほら、あのつくばっている駱駝にもたれながら、赤ん坊をあやしている女が、たしかにあれだ。ホラ今顔を上げた。
男四 なるほど、違いない。見覚えのある美しい顔だ。
女一 可愛そうに、あの嫌な亭主の赤ん坊を生んだのかしら。