Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
この十年の間、日本だけが取り残されているうちに、世界は飛躍的に進歩していたのである。
機は完全に霧の下に降りた。大きく一廻りすると、滑走路の灯が二列に並んで近々と見え、やがて機は正確な着陸をした。午前零時三十分である。
真暗な外に出てみると、風が烈しく吹いている。そして冷い霧雨が顔にあたる。周囲六、七マイル程度のこの北海の孤島は、丘らしいものもない平らな小さい島である。樹はもちろん一本もなく、千島からアリューシャンにかけての烈しい風に、いつも吹きさらされている恐しいところである。給油の一時間の間、バスで少し小高いところにある待合室に運ばれる。草らしい草も生えていない、裸の黒い土地であった。
待合室の建物も、途中の倉庫めいた建物も、みな土地を掘って建てられ、半分は地面よりも下になるように造られている。もちろんこうするより外に仕方がないのである。待合室の中は暖かく、電灯があかあかとついている。熱い珈琲を一杯のんで、真暗な外へ出てみる。
よく見ると、掘り上げた土を建物の周囲に盛って、それを幾分ロックガーデン風に造ってある。この恐しい島に住まねばならない人たちへの、せめてもの心づくしなのであろう。