Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
それが分ってからはじめて、多数の結晶の集合体であるふつうの氷の研究にとりかかり得るのである。
こういうことは、前からわかっていたので、大きい氷の単結晶をつくる研究は、世界中ほうぼうで試みられた。アメリカでは、三年がかりで、数万ドルの委託研究費を出して、この研究を推進させた例もある。しかし大きい氷の単結晶をつくることは、非常に困難であって、いまだに十分な結果が得られていない。
温度を百分の一度くらいの精度できめ、一週間もかかって、やっと人差指くらいの単結晶ができる。それも結晶軸の方向を、希望した方向にすることはできない。それでは、とてもまとまった研究はできないので、氷の単結晶の研究は、ちっとも進まなかった。
ところが、自然というものは、恐ろしいもので、そういう貴重な氷の単結晶が、アラスカの氷河へ行くと、ごろごろしているのである。
その一番の産地は、マラスピーナ氷河である。この氷河の中心地付近には、直径三十センチないし五十センチもある氷の単結晶が、いくらでもある。そういう塊りを拾ってきて、低温室に貯蔵しておいて、実験に使えばよいわけである。
もっともマラスピーナくらいの大きい氷河になると、氷を掘りに行くことは、非常にむつかしい。