Japanische Klassiker mit Furigana
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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.098 Zeichen · 172 Bildschirme
今まで魚を干すということは貯蔵の一つの方法だと簡単に考えていたのであるが、本当の新しい干物というのは一つの料理法だということに初めて気が付いた。朝、水から揚ったばかりの室鰺を魚屋が持ってくる時は、青銀色の肌にエメラルドの緑の斑点がまだ燦爛と輝いている。それを直ぐ開いて貰って、自分の家で干して、夕食の膳に供えるとちょうど良い位の喰べ頃になるのである。初めは蠅の止ることを気にしたのであるが、その心配は全くいらぬことが直ぐ分った。魚もこれ位新鮮なものになると、全く臭いがないと見えて、外にさらして置いてもほとんど蠅が寄り付かないのであった。強い秋日にジリジリと照りつけられている魚は触って見ると熱い位になっている。釣った魚を魚籠の中に入れたまましばらく日当りの所を持って歩くと、すぐなれて味がすっかり落ちてしまうことから考えてみて、このような温度に長時間魚を保っておいて腐敗しないのが不思議である。もっとも専門の人にきいてみたら、特殊の酵素とか細菌とかが腐敗を防止しながら、蛋白質の変化を起して、生の時にはないような良い味のものを作るのだというような説明があることだろうと思う。