Japanische Klassiker mit Furigana
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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.098 Zeichen · 172 Bildschirme
一尋位沈むと急に海水が冷々と身体に感ぜられるので、少し気味が悪いが思い切って潜って行く。そして底に着くと、左の手で岩の手がかりを押えて身体を水平にする。初めのうちは身体が浮いて困るのであるが、馴れてくると割合楽に全身が海の底にぴたりと着くようになる。そういう姿勢で左の手で次から次と岩角をつかみながら、岩礁の上を這って、小さい穴の一つ一つを覗いて行くのである。勿論右手には魚刺を持っているので、それも漁師に教わって金具に近い所をつかんでいるのである。
底に潜って見ると、景色がまたまるで違う。岩の色は緑がかった土黄色に見え、海藻は薄茶色になる。そして多分海の表面の小さい波で強い夏の日光が屈折されるためだろうが、強い金色の光の縞がゆらぐ藻の上を滑かに動いている。穴を覗いて行くと、よく海胆が一つか二つ紺紫色の姿を見せていることがある。そして稀れには栄螺が同居していることもある。あのあたりの海では大抵の場合、栄螺はきまったように海胆と一緒に棲んでいるような気がしたが、偶然なのか、あるいは何かそういう習性があるのか、いつか動物の先生にきいて見たいと思いながらそれ切りになっている。