Japanische Klassiker mit Furigana
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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.098 Zeichen · 172 Bildschirme
その時その先生がニヤリともせずにそれを実行してくれたら実験は美事に成功したので、私は心から喜んで御叱りを受けるであろう。しかしこの実験をするには大分時がかかることだろうと思われる。
アストン博士の日常の態度としては、こういう観測の際よりも、むしろ平生の方が私には興味が感ぜられた。ちょっと見るといかにも頑固な気むずかしい爺さんである。当時の北海道の汽車の二等は色々な御客様や新聞記者で一杯である。アストン博士は誰か少し話しかけても、一言二言答える切りで不愛想な顔をしている。そして時々ぷいと立って三等車の方へ行ってしまう。弁当の時間などになってよびに行くと、片隅でじっとどこを見るともなく見入っている。そしてちょっと手まねきをすると黙ってやってきて弁当を喰うのであった。ビールだけは大変好きで、車中の弁当の時にもビールを二、三杯のむと急に機嫌がよくなって、足拍子をとりながら何か分らぬ歌を口ずさむこともあった。要するに放ってさえおけばそれで御機嫌がよかったのである。ある先生にアストンの接待では大変だっただろうといわれたことがあったが、放っておきさえすれば良いのだから楽な御客様であった。