Japanische Klassiker mit Furigana
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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.098 Zeichen · 172 Bildschirme
それで猫はきっと御飯を残すものにきまっているのだが、可哀そうなものだ」といっていたのが思い出された。それでその話を皆にして見たら、この四月から学校へ上るという一番上の女の子が眼を円くして聞いていた。そして御飯がすんだ時に、空の茶碗を私の方へ見せながら、「ほら、仏様が一つもついていないでしょう」といった。
天恵の少い北国の寒村では、昔はすべての物資が皆大切であった。特に米に対しては特別の信仰を持っていたらしく、私の祖母などの眼には、一粒々々の米の中に、皆仏様が見えたのであろうと思われる。従って子供達に対する教育といえば何よりも物を粗末にしないという点が強調されていた。食事の時にこぼした御飯を拾って喰べるということなども、衛生とか経済とかいう立場を離れた絶対的のものであった。それは本当に一体々々の仏様なのであった。こういう考えは日本中の農村に行きわたっていたのであろうが、特に北陸地方や東北のいわゆる裏日本には、都鄙を通じて根強く浸み渡っていたものである。もっとも少し都会地になっている所で育った私の妻などは、同じことながら少しちがった教育を受けていたようである。