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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

「そこで! 百尺竿頭一歩を進めろ!」

どなるように泰軒がいうと、忠相はにっこりして大仰に膝を打った。

「いや、こりゃまさに禅師に一喝を食ったが、いくら江戸でも、左腕の辻斬りがそう何人もいて、みな気をそろえて辻斬りを働こうとも考えられぬ」

「だから、おれは初めから、これは隻腕の一剣客が闇黒に左剣をふるうのかも知れぬといっておるではないか」

「ふうむ。なるほど、一理あるぞこれは! して、何奴かな、その狂刃の主は?」

「まあ待て。今におれが襟がみ取って引きずって来て面を見せてやるから」

大笑すると、両頬のひげが野分の草のようにゆらぐ、忠相は心配そうな眼つきをした。

「また豪そうな! 大丈夫か。けがでもしても知らんぞ」

「ばかいえ、自源流ではまず日本広しといえどもかく申す蒲生泰軒の右に出る者はあるまいて」

言い放って袖をまくった泰軒、節くれだった腕を戞! と打ったまではいいが、深夜の冷気が膚にしみたらしく、その拍子にハアクシャン! と一つ大きなくしゃみをすると、自分ながらいまの稚心がおかしかったとみえ、

「新刀試し胆だめしならば一、二度ですむはず……きょうで七、八日もこの辻斬りがつづくというのは、何百人斬りの願でも立てたものであろうと思われるが――」