Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
と、濃むらさきの紐が、葵の御紋散しでふちどった御簾をスルスルと捲きあげて、金襴のお褥のうえの八代将軍吉宗公を胸のあたりまであらわした。
裃の肘を平八文字に張って、忠相のひたいが畳にすりつく。
お声と同時に、吉宗の膝が一、二寸刻み出た。
「越前、そのほう、余を覚えておろうな?」
はっとした忠相、眼だけ起こして見ると、中途にとまった御簾の下から白い太い羽織の紐がのぞいて……その上に細目をとおして、吉宗の笑顔がかすんでいた。
むかし、山田奉行所の白洲の夜焚き火のひかりに、昂然と眉をあげた幼い源六郎のおもかげ。
忠相の眼にゆえ知らぬ涙がわいて手を突いている畳がぽうっとぼやけた。
が、かれはふしぎそうに首をひねった。
「恐れ入り奉りまする――なれど、いっこうわきまえませぬ」
すると吉宗、何を思ったか、いきなり及び腰に自ら扇子で御簾をはねると、ぬっと顔を突き出した。
「越前、これ、これじゃよ。この顔だ。存じおろうが」
忠相は、下座からその面をしげしげ見入っているばかり……じっと語をおさえて。
引っこみのつかない将軍がいらいらしだして、お小姓はじめ並みいる一同、取りなしもできず度を失ったとき、