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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

嫌いではない。決してきらいではない!

が、単に嫌いでないくらいのことでは、どうあってもひたすらに心を向けるわけにはいかないところへ、先方から押しつけるように持ってこられると、ついその気もなくはね返したくなるのが男女恋戯のつねだという。

栄三郎は弥生を、きらい抜くというのではなかったが、いかに努めても好きになれない自分のこころを彼は自分でどうすることもできなかったのだ。なぜ? ときかれても栄三郎は答え得なかったろうし、ただつとめて好きになる要もなければ、また、なれもしないばかりか、かえってその気もちが負債のように栄三郎をおさえて、それが彼を弥生から離していったのかも知れなかった。

が、理屈として、

そこに栄三郎の胸に、三社まえの掛け茶屋当り矢のお艶という女があったがためであることはいうまでもない。武家の娘の生一本に世を知らぬ、そして知らぬがゆえに強い弥生の恋情よりも、あら浪にもまれもてあそばれて寄って来て海草の花のような、あくまでも受身なお艶という可憐な姿に、栄三郎のすべてをとらえて離さぬきずなの力のあったことは、考えてみればべつにふしぎではなかった。