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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

関の孫六の鍛刀乾雲丸。

夜泣きの刀のいわれは、脇差坤竜丸と所をべつにすれば……かならず丑満のころあいに迷雲、地中の竜を慕ってすすり哭くとの伝奇である。

いまや山川草木の霊さえ眠る真夜なか。

この、本所鈴川の屋敷の離室で。

左膳は、またしてもその泣き声を聞いたのだった。

妖剣乾雲、いかなる涙をもって左膳に話しかけたか――。

おどろおどろとして何ごとかを陳弁する老女のごとき声が、酔い痴れた左膳の耳へ虫の羽音のようにひびいてくる。かれは、隻眼を吊り開けて膝元の乾雲を凝視した。

おのが手の脂に光る赤銅の柄にむら雲の彫り、平糸を巻きしめた鞘……陣太刀乾雲丸は、鍔をまくらに、やぶれ畳にしっとりと刀姿を横たえて、はだか蝋燭の赤いかげが細かくふるえている。

剣精のうったえ。

それが左膳にはっきり聞こえるのだ。

「血、血、血……人を斬ろう、人を斬ろう」

というように。

左膳はにっこりした。が、かれはふしぎな気がした。何故? いままでも左膳はよく深夜に刀の泣き声らしいものをきいたことがあるが、それはいつもきまって若い女のすすりなきだったけれど、今夜のはたしかに老婆の涕泣だからだ。