Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

みごとな伊勢海老じゃぞ」

忠相の声が藪から棒に大きかったので、となりにしめ縄をひねくっていたおかみさんの背なかで、おびえた赤ん坊がやにわにワアッ! と泣きだした。

市の中ほどへ出たときだった。

突如、うしろに起こった人声を聞いて、忠相何ごころなく振り返ってみた。

掏摸だ! 掏摸だアッ! と罵りさわいで、背後の人々が一団となって揺れあっている。腕が飛ぶ拳が振りあがる、殴る蹴る。道ぜんたいが野分のすすきのよう……。

と!

その、人のうずまきのなかにキラリと光った物がある。

「わアッ! 抜いたッ! 抜いたッ! 怪我をするな怪我をッ!」

という声々がくずれたったかと思うと、旅仕度に身をかためたお店者らしい若い男が、振分けの小荷物を肩に、道中差しの短い刀をめちゃくちゃにふりまわしながら鼠のようにこっちへ飛んでくる、とばっちりを食って斬られてはかなわないから、通行人のむれがサッと左右にわかれたせまい無人の境を、弥次馬に追われて一散に駈けて来るのを見ると――つづみの与吉である。

与吉のやつ、走りながら金切り声でどなっている。

「さあ! こうなりゃあどいつこいつの容赦はねえ。