Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
お正月が来たからって、お餅一つ搗けるじゃなし、持ってきた物さえ片っぱしからお蔵へ運んで、ヘン、たまるのは質札ばかりだ――ごらんなさいッ! もうその質ぐさもないじゃありませんか」
「まあ、そうガミガミ言うな。となり近所の手前もある」
「アレだ! 何かってえとヤレ手前、やれ恥辱――ふん! お武士さんは違ったもんですよウ、だ!」
「これ、お艶!」
「はい」
「貴様、このごろいったいどうしたのだ?」
「どうもしやしませんよ」
「そうかな。見るところ、ガラリとようすが変わったようだが――」
「いいえ。どうもしやしませんけれど、あたしつくづく考えていることがあります」
「ふうむ。なんだそれは? 言ってみなさい」
「…………」
「拙者が嫌になったらいやになったと、何ごともはっきり申したらよいではないか」
ことばもなくうなだれたお艶の横顔が、どうやら涙ぐんでいるふうなのに、栄三郎もふと甘いこころに返って、
「さ、いうがよい。な、改まって聞こう」
とのぞきこんだとき、ホホホホ! と蓮葉な嬌笑とともに、栄三郎を振り払ったお艶、こともなげに軽くいい放った。
「あなた、およしなさい。お刀の探索なんか……いまどき流行りませんよ」