Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
馬道三丁目入口の角で、錦袋円と廿軒茶屋の間だなあ。おぼえときねえ」
なんかと頼まれもしない浅草もちの広告に力こぶをいれて、一人弁舌をふるっていると、
「親方ア、馬はどうだね、安くやんべえよ」と、またしても馬子の声。
与吉は大いに業を煮やして、
「何イ! 馬だ? べら棒め、馬がどうしたッてんでえ!」
威勢よくたんかをきって向きなおった拍子に、つづみの与吉、さっと顔から血の気がひいた。
二軒むき合っている向う側の茶みせから、じっと眼を据えてこっちを見つめている異様な男!
おぼえのある乞食すがたに貧乏徳利……。
うまくお艶の身柄を忠相へ押しつけおおせた泰軒、さっそく庭へおり立つところを忠相が呼びとめたのだった。
「これ、蒲生! 何やらここに落ちておるぞ」
というので、ちょっと引っ返して部屋をのぞくと、いままで坐っていた場所に小判が数枚!
泰軒の窮状を察した忠相が、無心もないのに投げ出したもので、路用としてそれとなく与える意。涙の出るほどのゆきとどきぶり……。
ふたりは何も言わなかった。
泰軒はただのっそりあがって来て金子を納め、呵々大笑して再び出て行ったきり――礼もなければ辞儀もない。