Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
三尺あまりの身体に状箱を縛りつけたような身躯、小さな手足にくらべて莫迦にあくどい大きな顔……。
しかし! かれ豆太郎に一梃の小刀を与えよ!
空翅ける鳥もたちまち地におち岩間を走る疾魚も須臾にして水面に腹を覆すであろう。
その豆太郎が、ふんべつ臭く小さな腕を組み、凝然と耳をすましていると。
あるいは依頼懇願するがごとく、あるいは諄々として説くように、しきりに何かを明かしている弥生。
とんだ贋物の豆太郎と、小野塚伊織こと男装の弥生と。
その間、どんな話題がいかに展開していったことか――。
否、それよりもこの弥生が、突然小野塚伊織なる若侍の扮装で今日この子恋の森へ現れるにいたるまでに、そもどのような経路が伏在しているのか?
ここでいささか振り返ってその後の弥生をたずねるに。
……それは、彼女が櫛まきお藤につれられて瓦町の栄三郎方を訪れ、お艶とともに一夜を雨のような涙に明かし、そして戸外には、両女の涙に似た雨が音もなく煙っていたかの思い出の明け方だった。
思い出のあけぼの?
そうだ。あの日を最後に、女としての弥生は、成らぬ哀恋の悶えと悟りに、死にかわりにそこに、凄艶な一美丈夫小野塚伊織があらたに生まれ出たのである。