Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
「実はその、手前もまだ引見いたしませぬが、取次ぎの者の口ではどうもそのようで――」
「それに相違ない。連れて参れ」
いよいよ恐懼した大作が、お艶を呼びに急ぎさがってゆくと、忠相と泰軒、顔を見合ってクスリと笑った。
泰軒は、血筆帳の旅から帰府してまもなく、今夜また例によって庭からはいりこんで、相馬からの路を擁して月輪組を斬殺した次第を物語り、忠相は、泰軒の留守にお艶の身柄を出入りの大工棟梁伊兵衛なる者に預け、伊兵衛は又あずけにお艶を深川の置屋まつ川へ自分の娘として一枚証文の芸者に入れたことを泰軒に話しているところだった。
大岡様へ申しあげる前に伊兵衛は不慮のやいばにたおれたのに、忠相はいかにしてお艶のその後の消息を詳知しているのか? 泰軒に頼まれた大事な人妻お艶である女ひとりの動き、いわば奉行にとっては瑣事とはいえ、かれはお艶を伊兵衛に渡したのちも決しておろそかにはしなかった。
万事にとどく大岡さま……。
小者を派してそれとなく伊兵衛方を探らせると、遊んでいては気がめいるから型ばかりに芸者にでも出して月日を早く送らせようとしているという。宴座に侍るだけならそれもよかろう。