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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

「アレ先生、そんなことは、おっしゃるまでもなく艶は心得ております」

「それさえわかっておれば、わしも何も言うことはないが――」

と急に声を低めた泰軒、

「お艶どの、何か言伝はないかナ?」

「はい」

お艶はもう哭きくずれんばかり……。

「アノ、わたくしはいつまでも辛抱いたしますゆえ、どうぞ栄三郎様のほうを――」

「はははははは、お艶どの、このわしを泣かしてくれるな、はははは」

泰軒は、むりに笑って顔をそむけた。

その耳へ、何ごとかを訴えるがごときお艶のつぶやきが、低く断続して聞こえてくる。

意味の聴きとれない泰軒、腰をかがめてお艶に顔をよせ、しばらくは、なにかしきりにうなずきながら聞いていたが、

やがて、鬚だらけの顔がにっこりしたかと思うと、泰軒先生、喜色満面のていでそりかえった。

「うむ! そうか、そうか。やアめでたい! そりゃア何より……ワッハッハッハ! 早う栄三郎どのにしらせてやりたいが、今はそうもなるまい。しかし、でかしたぞ、お艶どの! あっぱれ、あっぱれ」

そして、なぜか火のようにあかくなっているお艶をのぞきこんで、泰軒先生ひとりで大はしゃぎだ。

「男か女か」