Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かずえはいそがしい

主計は忙しい

山本 周五郎

Lesen Sie 主計は忙しい (かずえはいそがしい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.315 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

「冗談じゃない、ばかなことを云っちゃあいけない、子供じゃあるまいしそんな、少しぐらい帰りがおそいからってそんな、つまらないことをいちいち疑ぐられて堪るものか、とにかく急ぐんだからちょっと五両」

「わたくし、そんなにたくさん持っていませんわ」

「だめだよ、このあいだ借りるとき見たら二十両もあったじゃないか」

「まあ呆れた、そんなことまでごらんになるなんて、恥ずかしいとお思いなさらないんでしょうか、以前はお金のことなぞ口になさることもなかったのに」

「乞食の子だって三年経てば三つになる、さあ頼むよ」

「いやですわ、あのお金はお嫁入りに持ってゆくんですから」

「だからさ、四五日すると道場から手当が出るんだ、そうすればこれまでのものも纒めて、なんなら利を付けて返すよ、大丈夫まちがいなしなんだ、母上に云えばいらない心配をなさるし、おまえのほかに頼む者がないんだから、そう焦らさずに早く出してくれ」

「すっかりお上手になって、とてもかないませんわ」たまきはこう云って兄をやさしく睨み、手文庫をひき寄せて金を紙に包んだ、「――その代り明日のお式にはきっと出て下さいましね、今からお約束しておきましてよ」