Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かずえはいそがしい

主計は忙しい

山本 周五郎

Lesen Sie 主計は忙しい (かずえはいそがしい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.315 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

「さすがのおれも驚いた」

「こっちは呆れるよ、いくらなんだって」

こんどは、六郎兵衛が笑いだした。

「だがそうするとなんだな、おまえから借りた五両はちょいと微妙なものになるなあ」

「五両がどうしたって」

「そうじゃないか、あの金はおまえがたまきから借りておれに貸したんだろう、たまきは今夜からおれの妻だ、いいか、そうすればだな、おまえはおれに五両貸してくれたが、同時におれの妻から五両借りているわけだ」

「よしてくれ頭がちらくらする」

やがて時刻が来た。藩の重職も二人列席して、かなり華やかな盃が始まった。祝儀には秋元家のお側用人を勤めるという老人が、おそらく自慢の芸なのだろう、さびのある枯れた声で小謡を二番までうたい、めでたく式が終って酒宴になった。――おちついていられない性分ばかりではない、婿の親友というたちばもあるので、主計は立ってしきりに酒間をとりもった。なにしろ人に好かれる人間なので、初対面の客ともすぐ慇懃になり、ひきとめられて盃をしいられるから、原田の叔父と向き合ったときにはかなり酔っていた。

「相変らずおちつかんな、おまえは」叔父は盃をさしながら云った、「――そうせかせか忙しくばかりしないで少しはゆとりを持つがいい、剣術のほうはどうだ」