Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くさかようこのたんじょうとしぼう

久坂葉子の誕生と死亡

久坂 葉子

Lesen Sie 久坂葉子の誕生と死亡 (くさかようこのたんじょうとしぼう) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.580 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

だから、苦心作だとか力作だとか云われるのは、ひょっとしたら、侮辱されているのかも知れない、と考えたのだ。しかし、私の勝気さは、華々しきを発表した後にうけたショックで、すぐに書くことをよさなかった。そして、「孕む」という小説をかきはじめた。二三行。もうその先が出て来ないのだ。何度も二三行、がくりかえされた。かつて、書きかけの原稿をまるめてしまうという経験のない私であったのだ。それなのに書けない。何故苦しんでまで、原稿用紙に字をうずめねばならないのか、と頭の方で手に疑問をもちかけるのだ。それが五日つづいた。私は、決心した。久坂葉子を葬ろう。私は、小さな白木の箱をつくり、白布で掩い、勿論その中は久坂葉子の名前のあるすべての紙片をつめこむのだ。そして、焼こう。線香をたてよう。ブラームスの四番をかけて、もう二度と蘇生させないようにしよう、と決心したのだ。三年半の久坂葉子の生命であった。久坂葉子の存在のおかげで得をしたのは、映画好きの私が、試写会の招待券なるものを頂戴したにすぎない。多くの知人を得たことは、得であったようで、あまり結果的にみてよかったことはない。