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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきりょう

久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集

久生 十蘭

Lesen Sie 久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集 (いきりょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.698 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

それから贖罪のための長い長い苦行がはじまる。ベルナアルさんの眼もあてられない悔悟のようすを見ると、院長も哀れに思って間もなく修練士にしてあげようと約束をする。運の悪いことには、ちょうどその頃春となり、おしゃべりの悪魔がまたぞろベルナアルさんの舌をつかまえて離さないようになる。ベルナアルさんの唇が芝蝦の子のようにピクピクと痙攣り、舌が口一杯に膨れあがる。そして、力尽きておしゃべりの悪魔に打負され、また労働士にひきおろされる。……

沈黙が厳重な鉄則になっているトラピストの修道院では、ベルナアルさんのようにおしゃべりが好きなのは、ほんとうに不幸なことだというのほかはない。

私がはじめてベルナアルさんに逢った時は、ベルナアルさんは修練士だった。

トラピストの修道院では、修士の階級で僧衣の色がちがっている。

労働士の間は薄褐色の粗羅紗の僧衣に縄の帯をしめ、修練士になると、白の僧衣に頭巾のついた長い油屋さんのような肩衣をかけて黒い僧帯をしめる。純白の白法衣を着るのは院長だけである。

今いったように、ベルナアルさんはもう一歩で白僧衣になるところだったので、白い僧衣を着、大きな木靴を穿き、手に祈祷書を持って丘の斜面や落葉松の林の中を眼を伏せて敬虔なようすで歩いていた。