Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのみち
二つの途
豊島 与志雄
Lesen Sie 二つの途 (ふたつのみち) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.102 Zeichen · 104 Bildschirme
ただ君の答えがききたいんだ。」
「何の答えが?」
「どういう解決を望んでるか……。」
「解決の鍵は信子の心が握ってる。」
「然し君にも何かの希望はあるだろう。」
「ない。」
暫く沈黙が続いた。
「では僕は君に尋ねる。一々本当の所を答え給え。」
「うむ。僕はごまかしはしないつもりだ。」
「もし信子さんが、僕に一生を任せると云ったら、君はそれでもいいのか。」
「いい。」
「もし信子さんが、君の手に戻りたいと云ったら、君は許してやるか。」
「今はその力が僕にはないような気がする。然しやがて許し得ると思う。」
「僕達は互に愛したのだ。」
「知っている。」
「君は先夜のことを覚えているのか。」
「覚えている。」
「あの言葉を取り消し給え。」
「僕は、あの言葉は云うべきものではなかったと考えている。然し、あれを取消しても消さなくても、結局同じことのような気がする。」
「なるほど君の云いそうなことだ。あの言葉で僕の心に烙印をおして、僕の心の傷を一層大きくして、それで復讐するつもりだろう。」
「何を云うんだ君は。」
「そして一方では、あの言葉から遡って、信子さんの罪を安価に見積ろうとするんだろう。」
「おい、低い声で云ってくれ給え。