Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたりのきょうだい
二人の兄弟
島崎 藤村
Lesen Sie 二人の兄弟 (ふたりのきょうだい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.177 Zeichen · 5 Bildschirme
一 榎木の実
皆さんは榎木の実を拾ったことがありますか。あの実の落ちて居る木の下へ行ったことがありますか。あの香ばしい木の実を集めたり食べたりして遊んだことがありますか。
そろそろあの榎木の実が落ちる時分でした。二人の兄弟はそれを拾うのを楽みにして、まだあの実が青くて食べられない時分から、早く紅くなれ早く紅くなれと言って待って居ました。
二人の兄弟の家には奉公して働いて居る正直な好いお爺さんがありました。このお爺さんは山へも木を伐りに行くし畠へも野菜をつくりに行って、何でもよく知って居ました。
このお爺さんが兄弟の子供に申しました。
「まだ榎木の実は渋くて食べられません。もう少しお待ちなさい。」とそう申しました。
弟は気の短い子供で、榎木の実の紅くなるのが待って居られませんでした。お爺さんが止めるのも聞かずに、馳出して行きました。この子供が木の実を拾いに行きますと、高い枝の上に居た一羽の橿鳥が大きな声を出しまして、
「早過ぎた。早過ぎた。」と鳴きました。
気の短い弟は、枝に生って居るのを打ち落すつもりで、石ころや棒を拾っては投げつけました。