Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme

Aozora Bunko

早苗からだった。

「さよならを、ほら、こんなあて字がはやってるんよ、お母さん」

朝食をはこんできた母親に見せると、

「字もうまいでないか、六年生にしちゃあ」

「そう、一ばんよくできるの。師範へいくつもりのようだけど、少しおとなしすぎる。あれで先生つとまるかな」

口ではなかなか意志表示をしない早苗のことを心配していうと、

「だけど、おまえ、久子だって六年生ぐらいまでは口数のすくない、愛嬌のない子だったよ。それがまあ、このせつはどうして、口まめらしいもの」

「そうかしら、わたし、そんなに口八丁?」

「だって、教師が口が重たかったらこまるでないか」

「そうよ。だからわたし、この山石早苗という子が、教壇に立ってものがいえるかしらと、心配なの」

「じぶんのこと忘れて。久子だって人の前じゃろくに唱歌もうたえなかったじゃないか。それでもちゃんと、一人前になったもの」

「ふーん。そうだったわ。いま唱歌すきなの、もしかしたら子どものときの反動かな」

「ひとりっ子のはにかみもあったろうがね。そのはがきの子もひとりっ子かい」

「ううん。六人ぐらいのまん中よ。姉さんは赤十字の看護婦だそうよ。