Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
「いたいですか、まだ?」
返事にこまって答えられないでいると、校長先生がさいそくにきたとでも思ったらしく、お母さんがかわって答えた。
「いつまでもごめいわくをかけまして、すみません。もうずいぶんらくになったようですけど、なんしろ、自転車にのれないものですから、いつまでもぐずぐずしておりまして、はい」
しかし校長先生のほうはそんなつもりではなく、見舞いがてら吉報をもってきたのであった。友人の娘である大石先生のことも、今日は名前でよんで、
「久子さんも片足犠牲にしたんだから、岬勤めはもうよいでしょう。本校へもどってもらうことにしたんじゃがな、その足じゃあ、本校へもまだ出られんでしょうな」
お母さんはきゅうに涙ぐんで、
「それは、まあ」
といったぎり、しばらくあとが出なかった。思いがけない喜びであり、きゅうには礼のことばも出てこなかったのだ。それをごまかしでもするように、さっきから、やっぱりだまっている娘の大石先生に気がつくと、
「久子、久子、なんです。ぼんやりして。お礼をいいなさいよ」
しかし、大石先生としては、せっかくのこの校長先生のはからいが、あんまりうれしくなかったのだ。