Japanische Klassiker mit Furigana
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はたちのエチュード
二十歳のエチュード
原口 統三
Lesen Sie 二十歳のエチュード (はたちのエチュード) von 原口 統三 (はらぐちとうぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.578 Zeichen · 125 Bildschirme
*13
純粋な精神の沙漠において、枯れない樹木はない。
*14
孤独は夢想児を作る。しかし夢想児があまりに久しく孤独の中に住むと、それは夢を氷らせ、やがて亡ぼしてしまう。
*15
僕は、自分の中の夢想児を責め苛んだ。つまり、窓を破壊したのだ。しかも僕の元来の綽名は「奇態な空想家」ではなかったか。詩を捨てた時以来、僕は自分の首から絶えず血が流れるような気がした。
*16
僕が「夢」を憎悪し始めた端初。下関の林の家で。
――その風呂場の窓には、蜘蛛の巣がかかっていた。外では昨夜来の糠雨が音もなく降りつづき、隣家の煤けた屋根の彼方に、蒼ざめた空の一片が夕闇の底深く静まりかえっていた。
僕は浴槽に身を沈めて、胸もとに揺れている水面の鈍い動きを見つめていた。ふと、窓の外を見上げた瞳に、蜘蛛の巣が覆いかぶさった――と思うと、それは魔法のように闇の奥に吸いこまれてしまった。……僕は急に寒気をおぼえて、身体をすくめたが、頬にまつわりつくほの白い湯気だけが、奇妙に生温い感じがした。その時、僕は何気なしに思い出したのだ、ずっと以前に読んだリルケの詩の一節を。