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Japanische Klassiker mit Furigana

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はたちのエチュード

二十歳のエチュード

原口 統三

Lesen Sie 二十歳のエチュード (はたちのエチュード) von 原口 統三 (はらぐちとうぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.578 Zeichen · 125 Bildschirme

Aozora Bunko

――は、は、は、は、は。ショパン! 君はやっぱり感傷家だねえ。――いいよ、もういい。咎めはしない。そうしてまた始めようではないか――最初に、力強く。男らしく。……もう、君のピアノの後の壁で、影のワルツが始まっている。僕らはそれを見ているのだ、愛らしい、つつましい、幾つかの影の動きを。

――さあ、高音部から低音部へ。……つまずかずに……流れるように……弾きたまえ、ショパン……つづけたまえ、ショパンよ……

*26

十月だ。幾度びこの声を耳にしたことだろう。橋本よ、散歩に出よう。

年々歳々花相似。

歳々年々人不同。

今日、ショパンの杖の先は、ほんとうに気まぐれだ。右に左に、それは自由に振られながら、君の歩みを導いてゆく。そうして、ふと触れる路傍の小石の一つ一つに、その杖は、忘れられた過去の日の、思いがけない音色と陰翳とを捉えるのだ。杖の音ははねかえって、八方に谺する。ショパンはその声の渡って行った遠くの丘に、森に、空に、地平に、雲の彼方に瞳をこらす。すると、声は再び帰ってくる。きっと、どれも失われずに、君の耳もとに、戻ってくる。…………

きょう、ショパンの散歩の杖の先は、ほんとうに気まぐれだ。