Japanische Klassiker mit Furigana
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はたちのエチュード
二十歳のエチュード
原口 統三
Lesen Sie 二十歳のエチュード (はたちのエチュード) von 原口 統三 (はらぐちとうぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.578 Zeichen · 125 Bildschirme
僕はお前の名前を想い出せなかった。
その後で、僕は何か身のまわりに足りない物があるような気がして、押えきれない焦燥に駈られた。机の上に古い向陵時報があり、その上にふと、僕は「清岡卓行」という名前を見つけた。そこでわかったのだ。
――パイプだ!
と僕は気がついた。あのマドロス・パイプは橋本にやってしまっていたのだ。
僕は悲しくなりながら、清岡卓行とマドロス・パイプとをこういう推理で結びつけてみた。あたかもポーのデュパンがしたように。――僕のマドロス・パイプはブライヤァだ。ところでブライヤァとは薔薇の根であり、薔薇の根で作ったパイプは上等だと、始めて教えてくれたのは清岡さんだったわけだ、と。
Nonsens !
パイプ。いかにも清岡さんの風貌に似合ったものであった。
ボオドレェルは失語症に罹って死んだ。僕の記憶はまだ確かだ。
――ボオドレェルが一生に儲けた金は、一万五千八百九十二法と六十サンチームだった。
この六十サンチームは、安葉巻二本に変わる、と。
*127
この不安が始めて起こったのは二週間前に独りで赤城に登った折りのこと。
大熊さんの所で、僕はレコードを聴いていた。